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 作家紹介
小川甚八 WORKS GALLEY

 
【略 歴】
 1949年木更津市生まれ。
 大学卒業後、訪れた笠間で焼き物に魅せられ
 修行へ。
 1975年 笠間に築窯。

 作品は「甚八急須」の名にて、プロ・アマを問わず
 数多くのファンを持つ急須作りの第一人者。
 卓越した轆轤技術により食の器・花器なども手が
 ける NHK総合テレビにて番組が組まれるなど数 
 多くのマスコミ・雑誌等にても紹介されている。
 日本の名工の一人である。

 
 
【用の美・無用の美】

「急須はお茶が美味しくはいってはじめて急須。だから道具から離れちゃうと急須ではなくなっちゃいます。形だけが急須の形をしていても駄目ですよね。まず一番はおいしく入る事。これにつきます。」(小川甚八さん)
お茶を美味しく入れる条件の割合は水が九割、後の一割が茶葉・つぎ手・急須といわれています。小川さんは残りの一割にもみたない世界を追求してきました。
NHK総合テレビで小川さんを紹介した番組の冒頭ナレーションです。

焼き物の世界では「用の美」という言葉があります。器は用いられるものですから、その用を追求する事により完成される美しさの事をいいます。 カタログ撮影のため小川さんの作品をはじめてカメラのファインダーごしに見たのは、3年ほど前の事です。息をのんだ事を覚えています。ファインダーの向こうに見えたのは、急須ではありませんでした。葉の上の水滴、波紋、渦、自然界にある「流れと一瞬の静寂」の象徴のようなものがそこにあったのを覚えています。
「用の美」とセットで「無用の美」という言葉があります。「用の美」の反対の意味ではありません。用の美しさが極限にまでいくと、使い手のほうで圧倒されて使えなくなってしまうという意味です。
使わなくても見ているだけで満足してしまう。もしくは怖くて使えなくなってしまう。用の極限は無用になってしまうという訳です。なんだか禅問答みたいな話しですが、小川さんの急須を手に取ってみると、きっとどなたでも直感的にそんな感覚がお分かり頂ける事と思います。
とは言え作品への思いは、使われ、美味しくお茶が入るという「用を成就」する事にある訳ですから、やはり使い手もそれに応えないといけないのですが。
 
淡風荘中野店 主人