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作家紹介
ISAO KAWAMATA WEB GALLERY

 
【略 歴】
1960年
 日展作家初代大塩正人師に入門
1963年
奈良県立伝統工芸伝習所窯業家終了
京都にて「陶彫の父」沼田一雅師の後継者である陶芸家船津英治郎師に師事
1976年
郷里日光に小窯を築く
1983年
鹿沼加園に「陶華窯」築窯
2002年
益子塙に益子工房を増設


 百貨店、ギャラリー、画廊等
 にて毎年個展開催。
 
【川俣 征 工房にて】
益子町のはずれ塙地区にある川俣征氏の工房を訪問しました。門に向かうエントランスで「象」、そして門の上から「猿」の出迎えです。工房に入るとそこはまさしく「別の世界」。門を境に、異国とかではなく、「人の世」とは違う世界に踏み込んでしまった気がしてきます。「幽冥の境」という言葉が頭をよぎりました。「ふくろう」や「ピエロ」「歌舞伎役者」「雛」・・。ザワザワ・ヒソヒソと話し合っているような、沈黙のままに、囲まれ注視されているような、あるいは穏やかに無視されているような。不可思議な感覚におそわれます。居心地は悪くはありません。ここにいる「異形」はではなく。命があると言ってしまえば簡単ですが、そうではありません。ただよう霧のようなとりとめのない、しかし確かな「存在」が辺り一面にあるのです。
塑像のマテリアルは「木」、「金属」「石」「石膏」などいろいろあります。「土」は焼成による収縮などのため、作家の意思通りの造形は難しく、加えて破損の問題もあることから、「塑像のマテリアルとして、何故選択するのか?」との見解を持つ方もいらっしゃいます。しかしもし作家の意思通り造形ができる事、素材強度などを重視するのであれば「合成樹脂」や「蝋」が最適となってしまうような気がします。氏のアトリエにいる「異形の者」達の不思議な存在感は、素材としての「土」を選択する事により始めて生まれてくるように思えます。「土」は「死の集積」であり「命の支え」でもあります。「幽冥の境」に存するもの。彫像家・陶芸家としての精神と卓越した技量に、土の「存在」が加わり唯一無二の作品群と独特の世界が誕生してくるような気がします。

淡風荘中野店 主人